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2018.08.03

自由診療の歯科治療を行う大変さ!

歯科医療に思うこと

自由診療で経営を成り立たせる歯科医院は、一見すると、個々の治療費の額が大きいので、実際は経営も楽なのではないかと勘違いされる方がいらっしゃると思います。

しかし、実際にやってみると大変なことがいくつかあります。
一つずつ挙げてみましょう。

1,治療で必ず結果を出す必要がある

自由診療では、要求された結果を必ず出さなければ、場合によっては患者さんとのトラブルとなることがあります。
しっかりとした診断能力が必要です。正しい診断能力を持っていないのに安易に審美を求めた矯正や、機能を考えてはいるものの中途半端な治療になってしまって、患者さんが治らず、不幸な状態になっているのをたくさん見かけます。
たとえば、
1、叢生が上顎だけひどいので抜歯をしたが、下顎はそれほどでもないので、アーチが狭くなることを恐れて、非抜歯で治療を行ったが、上下顎のバランスが悪くなり、顎位が後退して顎関節症(自律神経失調症を含む)を発症した。
2、MEAWなどの矯正装置を使って、叢生を取り除いて、歯列はきれいになったが、最後臼歯や第一大臼歯が圧下されたため、顎の位置が回転し、顎関節症を発症した。
3、首や肩が痛むので、噛みあわせと関係があるかもしれないと、相談されていたにもかかわらず。安易に矯正を行い、その症状が悪化した。
これらの治療は、矯正治療を行うことで却って今より調子を悪くさせている治療になってしまっているので、結果的には患者さんは満足しませんし、非はどちらかといわれればお金をいただいている以上、治療による不具合を起こしてしまった術者にあるといわれても否定は出来ません。また患者さんも昔よりシビヤになっているので、下手な言い訳は却ってことをこじらせます。
歯科医院同志の競争が激しくなっている以上、難しい症例でも診療が必要になってきていますし、仮に自分が難しい治療はしないというスタンスであったとしても、治療技術に関する知識は、どの患者さんが難しくて、どの患者さんが簡単であると理解するうえでも絶対に必要です。

2,個々の患者さんとの接触時間が長いため、体力的負担や相手からの影響が大きい

自由診療では、時間がかかる上、多くの歯の治療を行うことがほとんどで、個々の患者さんと相対する時間が非常に長くなります。治療は患者さんと術者とのお互いのエネルギーの交換の場でもあります。
体の状態が悪い患者さんを診療すればするほど、自分もその影響を受けるため、無事ではすみません。
本当によい形態の患者さんとの関係は、患者さんが治療によってよくなったことを感謝し、そうなってしまった自分の原因を振り返り、同じ過ちをおかさないよう努力してくれることです。それこそが本当の医療行為をして良かったと思える状態です。
自分の生活態度を振り返らなず、同じ失敗を繰り返す患者さんに対してははエネルギーを交換する価値もありません。自分自身や、スタッフが不要のダメージを受けないために、そのような患者さんとは関係を断ち切る勇気も必要です。慈愛をかける必要のない患者さんもいらっしゃり、お金を払えばやって当然という、不謹慎で人格的にも問題のある患者さんは自由診療でも診るべきではありません。

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