歯友會 DCGSブログ

歯科業界(自由診療・保険制度)の経営効率化を支援 歯友會DCGSブログ

歯科を取り巻く環境

Environment

2016.01.19

アメリカの名医は控えめ?

アメリカ式歯科治療

アメリカの歯科では治療費である程度の序列が決まってしまうきわめて合理主義的な仕組みです。
アメリカの歯科では専門医化が進んでいますから、治療に関しては、自分が専門でない治療に関しては同じレベルの先生を紹介することになりますが、紹介先の治療費のレベルは自分と同レベルで引き継がれます。
これは一定レベルの先生は一定レベルの先生を紹介し合い、価格帯も引き継がれることになり、これも合理的な仕組みとなっています。
したがって、お金を出せば夢のような歯科治療もうけられます。
でも高額だからといって治療技術があるとはいいきれないのもアメリカの本当の姿です。
「確かにそこそこ上手だけど、そんなにお金取るの?」という歯医者さんもいらっしゃると思います。
そこは日本と同じく、お金を出せばいくらでも目立つ宣伝は出来るし、またうまくやれば名医であるといったうわさを流すメディア戦略も十分可能で、有名で法外なほど高額な治療費をもらっている先生は山ほどいます。
しかし、アメリカの本当の名医はそのような人たちではありません。そもそも「歯科医は地味な仕事ですし、あくまでも患者さんを治すという、主体は患者で自分はむしろ裏方で患者さんを支える側」です。
それがメディアや宣伝や講演会などで有名人になるのは、もちろんそれなりの技術はあると思いますが、本当に患者さんのための名医かどうかは微妙です。
アメリカでの本当の名医はそもそもそこまでお金に固執していません。逆にお金や名誉に固執しすぎていては本当の名医にはなれません。名医になればなるほどその固執から離れてゆくものだと私は思っています。
名誉やお金を求めるとなぜかすばらしかった技術も輝きをうしなってきます。本当の名医は自分の治療費はきちんと自分で決め、法外な値段を付けたりしませんし、こつこつと良い治療を積み上げてゆきます。
したがって、通院中の家族などの紹介だけで十分やっていける先生がほどんどだそうです。特にアメリカ人は歯に関してはシビアで、治療技術が良い先生をとにかくうまく選んでいます。
最近ではインターネットなども利用をしているとは思いますが、歯科治療は何せ一人で治療できる患者さんの数が限られています。自由診療メインである医院では一生の間で1,000人も診ることは難しいのですから、気に入ってきてくれる患者さんだけでも十分で、場合によっては紹介がないとかかれない歯科医院もあったりするそうです。
アメリカは自由診療ですから、経営的にもそんなに多くの患者さんを集める必要も無いようですし、無理をすればそれだけ自分の治療の質が落ちることはわかっているからです。
意外にこのようなアメリカの名医(歯科医)の実情を知らない先生が多いようです。もちろん経営を考えるとそんな悠長なことは言っていられないですが。

関連する記事はこちら

PAGETOP