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Environment

2015.12.10

アメリカでの歯科医院の実際

アメリカ式歯科治療

私が何度もアメリカを訪れ、歯科医院を訪問した感想を以下に述べさせていただきます。
1、歯科医は非常に社会的地位が高い
2、患者のためになる治療をしようとする倫理観の高い歯科医師が多い
3、最低限に治療技術は持っており、それを更に高めることでより高度で適切な歯科治療を行っている。

といったところです。
これらの事情から、アメリカで成功した歯科医は、以下のような診療体系が出来上がっています。もちろんアメリカでは保険診療が無いというのも重要なポイントです。

1、ゆとりある診療体系(一日に8人程度の診療しか行わない)
2、効率の良い診療システム
3、患者さんとの強い信頼関係

また、アメリカでは、高度な専門能力を大学院などで教育する場が整っており、日本の様に大学院に対しても目立った臨床教育カリキュラムがない状態とは異なっています。その結果上記のようなシステムで臨床を行うことが可能なのです。
また保険制度がないので、役人のわけのなからない細かい取り決めに右往左往される必要がありません。日本の保険制度の締め付けはまったくばかげていて、患者さんのためにもドクターのためにもならない、単なる雑用を増やし、非効率な診療を強要するかのようなシステムですから、まともな先生にはついてゆけないことでしょう。
特に歯科はその傾向がひどいと感じます。私は保険診療は行っておりませんから、とっても気が楽です。保険請求がないので月末あせることもありませんし、日々ゆったり診療することができます。ただ神経質な患者さんが多いのでそこはきちんと注意して診療しなければなりません。
日本ではこのような診療体系が出来上がっている歯科医院はほとんどありません。グローバル化する世の中で、日本もこのようなシステムを持つ歯科医院が全国に広がる必要があります(少なくとも1県に1医院ぐらいはあっても良いのではと思います)。
1に関しては、今の日本では、保険診療と混合して30人近い患者さんをさばかなければ経営が成り立たちません。⇒結局中途半端な治療にしかできない。(全顎を対象として治療計画に沿った治療は難しい)⇒自信を持った確実な診療体系を確立できない。
といった状況に陥っています。中途半端な診療は、再治療を招きます。そして、治療費の安さから、患者さんの歯に対する意識が低いままになる傾向があります。
実は再治療によって、多額の保険料と、通院にかかる時間、そして体の苦痛が実際にかかっています。
そして、それは歯科治療にかかる費用だけでは計りきれない経済的損失を生みます。また日本の保険制度の中で、安いという感覚から、歯に対する意識の低くなり、手入れが悪かったり、歯を大切にしない習慣で健康管理が徹底されない問題がおこっているのです。
結果的には、歯の健康状態が悪くなり、全身の健康状態も悪化させ、医療費にかかる費用を押し上げてしまっている可能性は十分考えられます。
2に関していえば、日本の歯科用ユニット、滅菌システム、診療体系のシステムがアメリカの効率的なシステムと比較して30年程度遅れています。⇒患者さんを多く診療しなければならないのにもかかわらず、効率が悪いために、更に診療にゆとりが無くなるといった悪循環が日本の歯科医療には現状としてあるのです。
3に関していえば、中途半端な治療しかできないため、治療が長引いたり、治療結果の確実性が低い。⇒強い信頼関係ができにくい。⇒強い選択意識で通院中の医院を決めている人は少ない、ある程度妥協していることが多い(金額との天秤にかけた上で選択している。歯科治療にお金をかけるといった感覚のある人がまだまだ少ない)。
といった状況を生みます。
歯医者さんはあまり感じないかもしれませんが、患者さんの中には、治療をきちんとしてくれればいつでも通院先を変わると考えている、意識の高い人も実は結構沢山いらっしゃるのです。
選ばれる歯科医となるためには、きちんとした技術、効率化した治療体系、を学ぶ必要があるのです。
日本の教育システムは、保険制度を基本に考えているため、本当の意味での高い技術力(アメリカでも実際に行われている)を身につける必要があるのです。
また治療技術を身につけるのも少なくとも35歳前後までに行う必要があります。このことを過ぎると、自分の開業したり、結婚などで生活力をつけなければならなくなったり
して、自分の好きなように行動すること自体が難しくなるからです。
従って、技術指導を受ける場合は最低でも20代からはじめる必要があります。

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