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2015.12.09

アメリカと日本の治療何が違うのか?

アメリカ式歯科治療

日本の歯科医の中には、アメリカより日本の歯科のほうが進んでいるかのように勘違いされている方も多くいらっしゃいます。しかし実際は日本の歯科はアメリカの歯科を20年程度遅れてついていっているのが事実なのです。
一方「アメリカで治療を受けた人の治療を見たけどそれほどレベルが高くなかった」
といった声も聞かれますが、そういった一面も私自身否定はしません。
なぜならアメリカはピンからキリまでさまざまなレベルに先生がいて、そのレベルに合わせて値段設定がなされ、腕が高ければそれだけ値段は跳ね上がる大リーグ形式です。
そこが日本では、保険診療と言う超低評価でも治療は一応そこそこ行われているといったことから、アメリカ人は値段の安さにびっくりするのかと思います。
一方アメリカのハイレベルの歯科医の治療を受けた患者さんの歯を日本人が見たりすることはほとんどありません。
アメリカでレベルの高い治療を受けた患者さんは日本の感染対策などの実情を知っていますからわざわざ日本の歯科医院を訪れることはありませんし、そのクラスになると急性症状の歯の痛みで外国で治療を受けるなどということは無いようにメインテナンスに気を使っています。
ですから実際のアメリカの高いレベルの治療を見た人はまれで、正直私自身も、アメリカのハイクラスの歯科治療は、写真やDVDぐらいでしか見たことがありません。しかし、話に聞く限りでは、アメリカのトップレベルの歯科医は、日本で一般的な(今は歯を削りすぎないよう気を付けてきていますが)歯を削りすぎる治療や、審美に偏った治療とは一線を画していることは事実ですし、経済的な成功を得て、立派な生活もされているようです。また意外にもそれほど法外な治療費を設定しているわけでも無いようです。(アメリカでは大臼歯一本90万円なんていう根管治療専門医もいるという話も聞いたことがありますが・・。少なくとも本当に一流の先生はそういったことはしないようで、そこそこの値段はしますが、破格ではありません)
一方、時々日本に講演にいらっしゃるアメリカの開業医の先生もいますが、私の感想ではお金目当てや業者とのタイアップの先生が多く、とてもアメリカの本当の一流の先生がわざわざ来ているとは思えません。(一流の先生はそんなことをするほど貪欲でもないし生活にも困っていないようです。時々大学病院に呼ばれて治療の指導をすることはあるようですが・・。)
20年以上昔、アメリカの歯科治療の本当の姿を聞いたとき、正直私は愕然としました。
「アメリカでは保存修復がもっとも重要な治療であるし、インプラントは訴訟の嵐だ!」と当時言われました。日本ではまだ補綴の先生が花形で、インプラントがまさに花咲こうとしていました。
そして、「歯を削ることなくどうやって咬合改善までを含んだ治療する」かということを真剣に考えているようでした。これに関しては詳しくはこちら
実際、今の日本ではちょうどそれから20年程度たったわけですが、今、まさしく日本の保存修復が重要なウェートを占め、インプラントはどんどん縮小してきております。まさしくアメリカの後を追う日本といった構図です。まあ、あらゆる面で日本はなんだかんだと言いながらアメリカの後を追っていることを今も昔も変わりありません。
感染対策についても20年ほど前のアメリカではクラスBの滅菌対策は標準でした。
それが20年ほどたった日本でやっと取り入れられ始めました。
このような事実から見て日本はアメリカのちょうど20年後を追いかけていると実感したのです。
アメリカの実情を20年以上見てきた私にとって日本の行く末は簡単に想像できるわけです。
いずれにしても、日本人は適応は遅いですが、必ず変わってゆく人たちなので、今後、アメリカで行われてきたことが日本にどんどん入ってくることは明らかです。
これからの10年、20年はどうなってゆくかはこちらのページをご覧ください。

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