2017.05.02
真実を知るとき
歯科医療に思うこと
2017年5月2日
我々がいろいろなサービスやものを購入したとき、様々な状況の中で、真実を知る瞬間というものがあります。
私が経験したのは、自分自身の生命保険の契約です。
死亡保険に入っていたのですが、わずかな終身保険分と、多額の掛け捨て保険が混ざり合ったもので、掛け金は相当安いのですが、ほとんどが掛け捨てでした。
後で、違うセールスマンに話を聞いたとき、自分の保険の中身があまり良いものでないことを知り、相当のショックを受けたものです。
全て終身部分となっている生命保険は貯蓄性もあり、いろいろな使い方ができる優れたものです。しかし掛け金は高額で、いわば一種の貯金と考えたほうが良い商品でした。
悩んだ末結局今までの保険を辞め、新しい終身保険に切り替えました。
このとき私が前の契約をしてくれた外交員に対して「どうしてもっとキチンと説明してくれなかったのか?」と話をしました。「必要ないと思ったから」と答えましたが、私はにわかには信じられませんでした。
どんなに相手に予算的に難しそうと感じても「相手にとってベストになるプラン」も話をするのが、人間として当然のことだと思います。その中で自分にあった方法を選ぶのは個人の自由ですが、はじめから説明しないのは相手を馬鹿にした態度です。
私自身も、「歯に対してあまりIQが高いといえない患者さん」にも、保険という枠組みが仮に使えるとしても「あなたの身体にとってベストな方法べつにあること」は必ず伝えるようにしてきました。
日本のように「保険制度でデンタルIQがかなり低い国」では、本当に良い治療をきちんと伝えることからはじめなければ、「歯の健康の質を高めることは難しい」といえるのではないでしょうか?。
一方で、経済的に困難に直面した多くの先生が「何の説明もなく、患者の要求に答える治療をする」といった誤ったサービス精神で自由診療を取り入れるという、自由診療の本来の意味を履き違えてしまっている歯科医療人も多く存在します。
そもそも本来の保険にとらわれない自費治療とは、患者さんのために、できるだけベストの治療を経費にとらわれず行うことではなかったのではないでしょうか?。
「デンタルIQが低かった」患者さんもいずれ、「正しい知識を身に着けるとき」がきます。そのとき患者さんは履き違えられた治療を説明もなく行った先生をどう思うのでしょうか?(もちろん積極的に行っている先生は論外ですが)。
歯科医療は医療です。やるべきでないことをとめることが出来るのは専門知識のある医療人と勤めだと思うのですが・・・・。
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