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歯科を取り巻く環境

Environment

2015.12.22

歯科医療を分析する

日本の歯科業界の根本を考える

現在日本の歯科業界は非常にネガティブな状態であるといえます。
そもそも、日本の現行の保険診療における歯科の点数は、高度で精密な機器を取り入れ、精密な作業を要求される歯科の治療内容から考えてみて不当に安い金額であるとしか言いようがありません。つまり歯科では保険制度は崩壊しています。
歯科医療を熟知している人が考えると、医療のかなでも、歯科は特別で、以下のような特徴があるのです。
1、すべてが外科治療である・・したがって高いレベルの滅菌装置が必要となる。
2、非常に緻密な治療である・・ミクロン単位の治療がほとんどで、わずかなミスが患者さんの体調を変化させてします。
3、開業や設備管理に非常にお金がかかる・・内科医や、精神科医などと違い、歯科用ユニット、給排水設備、滅菌設備、床上げ工事、レントゲン設備など最低限開業に必要な費用が格段に高額である。
歯科医療は医療と比べてどうなのでしょうか?
冷静に判断すると、現状の日本の医療は、「結果に対する医療」の域を超えていません。
つまり、現状行われている日本の医療は、病気にかかってしまったり、ガンや腫瘍、怪我などの「結果が起こってしまった後で行われる医療」といえます。基本的に悪くなってはじめて治療しようと考えるわけですから、幹細胞を使った代替療法といった「結果を変更し続けて、一体何がしたいの?」と首を傾げたくなるような医療がもてはやされたりします。
一方で、アメリカでは「オステオパシー」(アメリカではオステオパシーは医療として認められる医師免許である)や日本でも「柔術、整体」や中国で「気功」といったものが、予防医療に近いものではないかと私はおもいます。なぜか医師達はこのようなまだか科学的に解明できていない治療技術について信用していませんが、実際は今の医療よりも理論的にも、そして治療技術的にも優れたものがたくさん有ります。
実際このような療法で、今の医療でまったく解決できない疾患を完治させていることも少なくないので、いずれ科学的なものが解明されれば、このような技術を利用した予防医療に近い医療行為がいかに大切かわかる日がくるでしょう。
歯科医療はといえば、もちろん虫歯になってしまったものを治療するのは結果に対する医療の一部ですが、かみ合わせを治すことで、機能回復だけでなく、全身の健康状態が回復することも頻繁に起こることは、経験のある歯科医師であれば誰も否定しないことでしょう。
つまり、歯科医療はより積極的に予防的にアプローチする役目をになっているので、予防医療に近いといえます。アメリカではより根本的な健康の原因療法に近い治療をきちんと遂行する歯科医師が医師よりも高いステータスを持つと考えられるのだと思うのです。
つまり、「より健康に対する意識の高い人が歯科医療の大切さを理解する」のだと思います。
日本の歯科業界は?
以上のことを考えてみれば、現在の保険医療制度は歯科の再診療等が医療より低いといった現実が、どう考えても理由不明な不合理性をもったものであり、矛盾していて、正当で公平な制度とは到底いえないのです。
しかし、無論公的な制度で全てカバーしようということ自体に無理であると思えますし、意識の高い人は保険制度を使わなくてもきちんとした治療を受けたいと考えると思います。
しかも、歯は健康のすべての源です。歯がきちんと機能しなければものを食べることは出来ないわけですし、健康状態を維持することは不可能です。
胃や腸の治療をどんなにきちんとしても、歯が悪ければまた具合が悪くなってしまいます。どちらが先に治療を優先されるべきかといえば歯であることは常識的に考えても当たり前のことです。動物は歯がなくなれば歯を元に戻す以外のどんな治療をしても死にます。ものが食べられなくなるからです。
医療はむしろ結果の修正で、原因を取り除く治療は限られます。しかし、歯科治療はその病気の原因を治療できるわけですから、そこにきちんと正当なお金を注ぐことは健康管理の上では当たり前だといえます。
しかし、現状では残念ながら、国の制度に期待すること自体がもう限界と理解せねばなりません。国にその気もないし、歯科には医科ほどの圧力団体も無いし、何より「国にもうそれをまかなうだけの予算がない」と思います。
ただ、これからの若い世代の先生は、このような矛盾だらけの制度に甘んじていても人生は何も変わらず、文句を言いながらすずめの涙のようなお金をもらうために朝から晩まで必死に働いていてもこの状況から抜け出すことは出来ません。
これは、まるで先輩の決めた何の理論も、合理性もないルールの中でしごかれ、耐え続けているにも関わらず、何の結果も得られないといった昔の部活のような状況です。
これでは、せっかく歯科医になっても、歯科医としての人生に何も望むべくもありません。大学の先生や歯科医師会のお偉い方がそのような事実に対して何か考えがあるわけでもないのです。
日本の歯科医療制度のしがらみから抜け出すこと以外、この状況を打破することはできないでしょう。
このような泥沼から抜け出したいと少しでも考えている先生がいらっしゃいましたらぜひわれわれの講習会に参加されることをお薦めします。

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