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歯科を取り巻く環境

Environment

2015.12.01

歯科界の因果応報

日本の歯科業界の根本を考える

歯科に関しては、非常に悲観的な話を耳にすることがほとんどです。
一部の経営が良いといわれている歯科医院でも、内情は審美歯科や、審美矯正治療、インプラントなどで自由診療費を稼ぐ、どう考えても歯科医療の正道と思えない治療を自由診療のメインとしているような歯科医院が多く存在しているのが実態です。
こんな状況では「歯科が信用されず、金儲けのために治療を行っている」と思われても仕方ありません。一方でこのような矛盾を抱えた経営であることを分かっていながら、やり続けなければならない悲しい歯科医が多いことも事実です。
そしてこれらは、アメリカのような自由診療になれていない日本の歯科医が、保険診療がから脱するための苦肉の策で、「診療技術自体が保険診療と何も変わらないのに料金だけいただこう」というおかど違いの考えからから成り立っており、「本当の意味での正しい診断と、健康に根ざした治療計画を基にした行う治療」という本来的な歯科治療からは程遠いのです。それを
一方で、訪問診療など、保険点数の高い歯科治療に特化して生き残りをかける歯科医院も現在の保険制度化ではやむをえない事かもしれません。
これらは「日本の保険制度の矛盾」と、「健康を得るための歯の治療としての自由診療としてやっていけるだけの技術を教育できない歯科大学の現状」、そして、「保険制度に慣れてしまった患者さんが本来の歯科医療への無理解」といった問題が原因として挙げることができるでしょう。
また逆にまじめに取り組んでいる先生ほど「矛盾の中で苦しんでいる」ことも事実です。
しかし、これだけでは「根深くはびこった歯科界の矛盾や不信感を取り除くこと」は容易なことでは無いでしょう。
これから歯科医療を担う若い世代は、そのような歯科界の過去からの因果を取り除く努力をしなければなりません。その場しのぎの経営戦略のみで乗り越えようとしても本当の意味で歯科医が報われ、浮上する時代は来ないと考えるからです。
国家が成熟してくるとば、倫理のハードルは高まるのが世の常です。
倫理感を持った治療はこれからますます要求されるはずです。
確かに現状では歯科医は多いですし、歯科医の努力によって虫歯の数や、治療が必要な人は減って来ています。
しかし、歯科における保険診療は限界に来ていることは多くの歯科医は気がついていますし、患者さんも少なからず気がついてきていることは明白です。
そもそも治療の基本である、滅菌管理ですら新聞やテレビをにぎわすように、歯科における滅菌管理については日本は欧米諸国と比較して大きな問題を抱えています。
一方、それを指摘されても、そのようなシステムをまかなうだけの金銭的な保証は歯科における保険制度では全くなされていないという矛盾が存在していることもまぎれのない事実なのです。
医療の場合は公的な機関が多く国や自治体からの援助がされることがしばしばありますが、歯科はほとんどが個人営業ですからそのようなことは期待できないですから、患者さんから直接お金頂くしか方法がありません。
このような歯科界の因果を取り除く方法は「ただひたすら患者さんのためになるきちんとした治療を行う」こと、「いくら患者が保険の安い治療を求めても、きちんとした治療を行うのに必要な費用について、きちんと説明し請求すること」
に尽きると思います。
私自身、開業当初は、患者さんには保険制度の矛盾から話を始め、滅菌等の管理だけでも、どれだけのお金がかかり、残念ながら患者さんから直接頂くしか今の制度上はきちんとした治療が成り立たないと繰り返し説明し、儲け主義ではない自由診療の必要性を訴えてきました。

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