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2015.10.05

日本の歯科も欧米化してゆく?

歯科医師の10年後はこうなる

今後10年後、20年後の日本の歯科の未来を考えると、苦しい一面がある一方で、より良くなる部分もあると考えられます。
日本の産業のほとんどがアメリカやヨーロッパの後を追っていることは歴史的に見て自明の事実です。
一方で歯科医療に関してもアメリカやヨーロッパの状況に近づいてゆくことは避けられないと思います。
では大局的に見てアメリカやヨーロッパの歯科医療は現状としてどう捕らえるべきでしょうか?
1、アメリカや、イギリスなどの欧米諸国は、基本的に自由診療がメインとなっており、大学でも結果の出る高い技術を大学院で教える傾向がある。
2、歯科医になったからといって皆が裕福に暮らしているわけではなく。同じ歯科医でも格差が生まれている。
3、アメリカで、本当に成功した歯科医は、基本的な治療を正確にきちんと行っています。インプラントや審美で本当の意味で成功した歯科医は皆無です。
日本も一昔前の歯科医師になったからといってほとんどの人の生活が保障されるという時代は完全に去り、ますます格差が生まれてくると思います。
アメリカの歯科大学では、20年以上前から歯科医としての素質がなさそうな学生には、別の道を歩むように薦めるようです。
私はこれもある意味では正しいし、莫大な学費をかける本人にとっては、将来のことを見越して助言してくれることも大切だと思います。大学は国家試験で免許を取らせてくれても、生活に困らないことを保障をしてくれるわけではないからです。
今では日本も歯科医の免許をとったとしても、就職先が無かったり、開業しても患者さんが来ないといった歯科医が増えている現状を考えると歯科教育の現場がより高度の技術指導を行える場になって、技術の研鑽の場を提供して、免許を取っただけではない差のつく高い技術力を身に付けさせてくれることが必要になると思います。
一般の有資格の弁護士や一級建築士など、難易度の高い国家試験を通過しても、本職で生活できる人は3割程度という現状を考えると、まだ7割以上の歯科医が本業で生活ができている現状を考えると、まだ歯科はましのようなイメージがあります。
しかし、今後は国の保険制度の維持が更に困難になり、保険制度自体の評価だけでは歯科医院を成り立たせること自体が難しくなってくるため、弁護士や建築士とまでは言わないまでも、歯科医業のみで生活を成り立たせてゆける歯科医の割合はさらに減ると考えられます。
そして自由診療が増えれば、技術を持つものと、技術を持たないものとの間に価格の差が生まれてきます。自由診療は自由に値段を設定できるわけですから、患者さんが納得すればいくらに設定してもかまわないわけですし、結果を出せる治療であれば、保険診療で行うより十分な時間と設備、材料を用いて治療を行えるわけです。
私が20年以上も前に都内に立ち並ぶ歯科医院を眺めながら、自分が開業する時代は一体どうなるのだろうかと考えました。そして結論として、単純に「他の歯科医が持っていない技術で勝負しよう」ということでした。
イギリスでは、公的保険制度がありますが、一般的ではなく多くの人はプライベート(自由診療)の歯科医院を訪れることが多いようです。やはり治療内容に限界があることは知られているようで、今後日本でも保険制度に限界があることが認知されてゆくと思います。
そもそも患者さんが求めている治療は「治る治療」です。「治る技術」は意外にもシンプルで、しかも基本に忠実に治療を行うことで得られる。最良の方法です。「根管治療をきちんと行う」、「虫歯の治療をキチンを行う」、「咬みあわせも考慮した治療を行う」、それこそが最短で確実な今後の歯科医の目指すべき道だと私は考えます。

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